精神科救急医療は対象者が初めて精神医療と出会う場になることが多く、その上非自発的な処遇・医療が必要とされがちなことから、その医療内容がその後の対象者やその周りの関係者と精神医療との関わりに大きく影響すると考えられます。そのため、人権に配慮した、適切かつ外部から開かれた医療がより求められ、その解決に各地で新しい取り組みや未解決課題の検討が行われています。第33回日本精神科救急学会ではこれらの事を検討することにより、皆様方の「新しい精神科の景色」が拓ける一助になればと考えております。
内容は理事長講演、先達に訊く、教育研修コース、10のシンポジウム、2つの教育セミナー、医療政策委員会プロジェクト、災害支援報告会、ポスター発表で構成されています。
教育研修コースでは「保護室のドア」をテーマに、シンポジウムでは、「精神科救急の未来図に備える」、「精神科救急における自殺対策」、「精神保健福祉法34条による移送制度を考える」、「警察官通報をめぐる課題」、「身体拘束解除の取り組みとTIC」、「回復期精神科医療を支える仕組みつくりとは」、「縦列モデル精神科病院における身体合併症」、「多職種間の情報共有の工夫と実践」、「精神科救急学会認定医を目指す医師に伝えたいこと」、「患者の人権」をテーマに、教育セミナーでは「精神科救急における薬理」、「100%超えのmECTについて」を取り上げる予定です。オンデマンド視聴もできますので、涼しい自宅でゆっくり参加も可能です。是非、皆様方の多くの参加をお待ちしております。
第33回日本精神科救急学会大会長 群馬県立精神医療センター 赤田 卓志朗