~当事者が望む生活を実現する精神科作業療法計画書作成技術研修(発達障害)~
1 研修の目的・ねらい
作業療法は、薬物療法だけでは解決できない生活上の課題に対して、日常生活活動(ADL)から、より複雑な手段的日常生活活動(IADL)、さらには就労や地域参加といった活動までを包括的に評価し、興味や能力に合わせて個別の目標を設定し、一人ひとりに合わせたプログラムを通して、その人がその人らしく主体的に社会生活を送れるようにする治療法である。しかし、実際には依然として集団で行う「レクリェーション」や「院内・院外作業」が提供されているとの指摘や、一方で、標準2時間の作業療法実施時間では個別の作業療法が提供できないという現場からの意見、日本作業療法士協会の調査では、会員の約2割が精神科作業療法計画を作成していない、また、作業療法の対象が高齢の長期入院者が主であるため退院を想定した計画となっていない、計画作成はしているが病院内で実施できるプログラムに結び付ける内容に留まっているなどの課題が見えてきた。その結果、精神科作業療法が地域移行や地域定着に向けた取り組みにはなっていないことがわかってきている。
日本作業療法士協会による2019「地域包括ケアシステムに貢献する精神科作業療法の在り方検討会」、2020「当事者が望む生活を実現する精神科作業療法の在り方検討会」の提言によれば、これからの精神科作業療法は、個々の望む生活を実現するために、ICFに基づく個別の精神科作業療法計画の適切な立案、その計画に基づいた段階的で適切な精神科作業療法の提供とそのマネジメントが大切とされている。
本研修会では、前述の検討会がとりまとめた精神科作業療法の在り方の考え方に準じ、令和3年度より研修会を開催してきている。今年度は、「発達障害」に焦点を当て、個別の精神科精神科作業療法計画を適切かつ的確に立案できるための知識と技術に関する研修会を開催する。
2 実施主体
- 主催
- 日本公的病院精神科協会
- 協力
- 日本作業療法士協会
3 対象者
- 日本公的病院精神科協会会員病院職員
- 日本作業療法士協会会員
4 募集定員
2日間参加者120名(1日目は定員制限なし)
5 実施期間
令和7年12月12日(金)~12月13日(土)
6 研修内容、日程等
「令和7年度精神科作業療法士研修プログラム」のとおり
7 用意するもの
- 視聴用機器(マイク・カメラ付きPC、ヘッドホン・イヤホンマイク等)
※2日目は演習のため、1人1台のパソコンで参加ください。
8 参加申込
日本公的精神科病院及び日本作業療法士協会ホームページに掲載している研修会開催案内の「申込みフォーム」からお申込みください。
参加希望者について下記情報を入力いただきます。
- 氏名
- 役職
- メールアドレス
- 精神科病院勤務年数(11月末時点)
- 日本作業療法士協会会員の場合、会員番号
- 申込日程(1日目のみ または 2日間)
申込期限:令和7年11月25日(火)
参加受付後、受講決定のご連絡を11月28日(金)までにします。受講決定を確認の後、下記の参加費をお支払いください。
9 参加料振込先及び振込期日
- 1日目のみ受講:3,000円
- 施設申込:1施設 10,000円(4人以上参加する場合)
- 2日間受講:7,000円
※2日目は1日目を踏まえた内容のため2日目のみの受講は不可とします。
- 振込先
- みずほ銀行(0001) 麹町支店(021) 普通預金 口座番号 1501685
- 口座名義
- 一般社団法人 日本公的病院精神科協会
シャ)ニホンコウテキビョウインセイシンカキョウカイ - 振込期間
- 受講決定後、12月11日(木)の間にお振込みください。
会計処理等で12月11日までに振り込みができない場合はメールにてお知らせください。メールアドレス:jpap@kouseikyo.jp
請求書が必要な方は、お手数ですが上記メールアドレスにご連絡ください。
10 研修開催形態
Zoomミーティングを用いたオンライン研修となります。
※2日目は演習のため、1人1台のパソコンで参加ください。複数参加の場合はハウリング防止のため、施設内の別室で参加するか、ヘッドホン又はイヤホンマイクの使用をお勧めします。
11 受講証明
研修受講者には受講証明書を発行いたします。
12 研修内容等に関する問い合わせ
① 研修内容に関すること
担当:日本作業療法士協会事務局 遠藤・沢田
メールアドレス:ot_seido@jaot.or.jp(TEL 03-5826-7871)
② 参加料等に関すること
担当:日本公的病院精神科協会事務局 松本
メールアドレス:jpap@kouseikyo.jp
※メール照会の際、件名は「精神科作業療法士研修 照会」とし、所属・氏名を明記してください。
公的病院精神科協会 令和7年度精神科作業療法士研修プログラム
(1日目)令和7年12月12日(金)13:30~20:30
時間 | 内容 |
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13:00~ | Zoom入室開始 |
13:30~13:35 | あいさつ/日本公的病院精神科協会 会長 北村 立 |
13:35~13:40 | あいさつ/日本作業療法士協会 会長 山本 伸一 |
13:40~14:20 | 精神保健福祉医療の動向/厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 精神・障害保健課 |
14:20~15:50 | 発達障害の最近の動向と作業療法への期待/国立肥前精神医療センター 統括診療部長 會田 千重 |
15:50~16:00 | 休憩 |
16:00~16:30 | 精神科作業療法に関する日本作業療法士協会の取り組みと課題/日本作業療法士協会 遠藤 千冬 |
16:30~18:00 | 当事者が望む精神科作業療法の計画の考え方/日本作業療法士協会 常務理事 村井 千賀 |
18:00~18:10 | 休憩 |
18:10~19:40 | 発達障害と精神科作業療法の考え方/総合診療センターひなが 作業療法士 立松 麻記子 |
19:40~20:20 | 包括的支援マネジメントの紹介/田宮病院 作業療法士 菊入 恵一 |
20:20~20:30 | 事務連絡(アンケート・2日目オリエンテーション) |
(2日目)12月13日(土)9:00~16:30
時間 | 内容 |
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9:00~9:10 | オリエンテーション |
9:10~9:25 | 事例紹介 |
9:25~10:10 | 個人・グループ演習「わたしの望む生活」 |
10:10~10:20 | 休憩 |
10:20~11:00 | 講義「アセスメントの考え方と課題抽出ポイント」 個人演習「アセスメント・課題について」 |
11:00~12:10 | グループ演習・まとめ・解説「アセスメント・課題について」 |
12:10~13:10 | 昼食休憩 |
13:10~13:40 | ブレイクアウトタイム1(臨床現場での評価等に関する意見交換) |
13:40~14:05 | 講義「プラン作成のポイント」 個人演習「プランを考える」 |
14:05~15:05 | グループ演習「プラン作成」「プログラム説明」 |
15:05~15:15 | 休憩 |
15:15~15:45 | ブレイクアウトタイム2(臨床現場でのプログラム実施等に関する意見交換) |
15:45~16:15 | まとめ |
16:15~16:30 | 事務連絡 |